学び方

文章力を向上させたい初心者の方へ。現役ライターのおすすめ本7冊

文章を書くのは得意ですか?

昔から得意という方もいますが、苦手な方にとっては、小学生のころの作文なんかは苦しい時間だったかもしれません。

しかし、大人になっても、いえ、大人になったからこそ、文章力というのは、けっこう必要になるもの。仕事のメールや日報をはじめ、人によっては文章を書くこと自体が仕事という方もいらっしゃるでしょうし、個人のブログやSNSで文章を書かれているという方もいらっしゃるかと思います。

ただ、そんな書かねばならぬ状況にある人であっても、「思ったようにうまく書けないんだよな…」「苦手だな…」と、心の中で思っている人はけっこういるのではないでしょうか。

しかし、それもそのはず、共通して学校で教えてくれるのは「正しく読める文章」や、「試験に受かるための書き方」といった、その枠組みの中で発揮される最低限の文章力でしかなかったりします。

現在、ライターとして文章を書く仕事をされている方々も、聞いてみると、最初からしっかりした文章を書けたのではなく、いろんな本を読み、人をまねることで、ライティングの技術を向上させてきた方が多いようです。

そこで今回は「文章がうまくなりたい初心者の方へおすすめの本」と題して、ライターの仕事をされている8人の方に、お話をうかがってみました。

得意な文章のジャンルもさまざまで、ライター歴10年以上というベテランの方から、ライターとしてはまだ数カ月という仕事をはじめたばかりの方までいらっしゃいますので、いろんな立場や角度から見たおすすめ本のリストになりました。今この記事を読まれているあなたとも似たような状況の方がいるかもしれません。

「どんな場面でその本が役立ったのか」、「どういう風に読んで、文章力を向上させたのか」具体的な体験談をいろいろとうかがうことができました。

この記事を見に来ていただけているということは、少なからず文章力を向上させるということに興味を持たれている方なのだとお見受けいたします。文章力をあげるために、まずは関連した「本」を読みたいと思っている初心者の方々に、参考になればと思います。

文章力を向上させるおすすめ本 7冊

糸井重里の萬流コピー塾

推薦人:長塚 ヨシヒロ(ライター歴5年)
糸井重里さんの「萬流コピー塾」です。1984年に一冊目が出ていますから今から30年以上も昔の本(たち)です。

この本は週刊文春の誌上で投稿型のコピー塾を糸井さんが主宰し、それをまとめたもの。(1983年~)当時は糸井さん効果もあってコピーライティングが大人気で、毎週5,000通を超える葉書が糸井さんのもとに届いたと言います。

そしてこのコピー塾からポケモンの作詞を担当している戸田昭吾さん、TBCのコマーシャル「私、脱いでもすごいんです」で有名なコピーライター小林秀雄さん、関西では「阪神ファンの流儀」の著者、小杉なんぎんさんなど多くのライターが今なお活躍しています。

「萬流コピー塾」のすごさは何と言っても自由さでした。コピーのこの字も解からない若者が、とりあえずおもしろそうだから何か葉書に書いて送ってみよう。そんな感じでいい加減な言葉を糸井さんのもとに送りつけると、なぜかあの週刊文春の誌面に大きく載っていたりするのです。例えば、口紅のコピーは「ブスにいきおいをつける」だったり……。

私自身もまったくコピーライティングの知識などなかったのですが、あまりのアホらしさと、時折、素人が読んでも思わずうなる傑作が掲載されており毎週、ワクワクしながら週刊文春を買いにいったものです。そして今、まがりなりにもライターとして喰っているのもこの萬流コピー塾があってこそと言っても過言ではありません。

ライターになるために難しい勉強をして頭でっかちになるより、この本からあふれ出る破天荒さ(もちろんそれは糸井さんの才能から出ているものですが)を体で感じてみてはどうでしょう。

家元、おげんきですか?

SEOに効く!Webサイトの文章作成術

推薦人:ペロママ(ライター歴10年、テレビ雑誌、企業ホームページなど)
ライターをしていて、最近は紙媒体がぐっと減って、一番多い仕事がホームページなどのWeb系の仕事です。これは、雑誌などと違って、いかにアクセス数を増やすか、検索順位を上位にするか、というのが重要なポイントになるので、ちょっとコツが必要になります。

そんなとき役に立ったのが「SEOに効く!Webサイトの文章作成術」という書籍です。Webの右も左もわからない書籍出身の私でも、とっかかりとして大変分かりやすくポイントがまとめられています。

とにかく、ユーザーにとって役立つコンテンツを作ることが、アクセス数アップの近道なのですが、重要なキーワード、起承転結、最終的に商品購入などに至る流れなどの道筋をしっかり考慮することを教えてくれました。

わかりやすさ、説得力、感情を揺さぶる、臨場感がある、共感される、そして行動させる、こういった項目別に文章作成のポイントが列挙されています。この書籍のおかげで、Web系のノウハウをつけて、仕事の受注数も大幅アップできました。ぜひ一度目を通すことをおすすめします。

書くことが思いつかない人のための文章教室

推薦人:みつは(ライター歴1年、ヘルスケア、美容系)
「描写」が大切という文章作成の基本が書かれた一冊です。ライティングを始めたばかりで、テーマがあっても何を書いてよいのかわからずに困っていた時に購入しました。

この本と出会わなければ、ライティングを続けることができなかったかもしれません。特にライティング初心者の方におすすめです。

今でも順調に書いている途中で、ふと何を書いたら良いのか思考が停止してしまったときや、文字数が足りないのに書くことが思い浮かばない、という時があります。そんな時に、この本に書かれている大切なポイントをまとめた自作のシートを見て基本を思い出すと、イッキに仕事がはかどります。

説明文や紹介文を書く場合には直接的には役に立たないように思いますが、説明でも紹介でも「描写」は必要です。その描写について、とても詳しく書かれています。くどくどと説明するよりも、描写して読者に追体験をしてもらうことで伝える、という手法を使いたいときにとても参考になります。

日本語の作文技術

推薦人:桜井健太(ライター歴2年、ビジネス文書の作成・翻訳など)
この本は、ビジネスで取引先にメールを送るときから軽いエッセイのような読み物を書くときまで幅広く使える。あらゆるタイプの日本語の文章に共通する「上手く書くコツ」について解説した本だからだ。

私は大学生時代にこの本に出会ったが、レポートの作成だけでなく、ブログの記事作成や翻訳まで至るところで役立ったため、いつも手元に置いている。

筆者の本多勝一は新聞記者であり、いわば文章を書くスペシャリストである。その彼が長年蓄積したノウハウを惜しみなく公開している。

この本のおすすめポイントをいくつか挙げたい。

①文章を構造化してとらえ、どういう順序で言葉を置けば相手に伝わる文章になるか丁寧に説明している。

・「節を後にし、句をあとにする。」
・「長い修飾語は前に、短い修飾語は後に。」
・「大状況・重要内容ほど先に。」
・「親和度(なじみ)の強弱による配置転換」

以上の4つを意識して書くと、非常に読みやすい文章になると筆者は主張している。

中学校で習うような国文法のルールにはこうしたことは書いていない。国文法を学んだだけでは文章がうまくならないのにはちゃんとした理由があるのだ。

②助詞の使い方や句読点の打ち方にまで踏み込んでいる。

句読点の打ち方や助詞の使い方は、ある程度書くことを本業としている人ならば必ず苦心する問題だ。

筆者はこうした細かい部分にまで、章を割いて解説を加えている。特に「は」と「が」の違いなど、普段何気なく使い分けている言葉について考証し直している点は素晴らしい。

③例が多いため、直感的にも理解がしやすい。

読書する際、例が少ないとなかなか理解がはかどらないものである。この本は、文豪の文章から新聞記事までありとあらゆるタイプの文章を引き合いに出して解説してくれるため、とても理解しやすい。

直ぐに実践に生かせるよう本書はいたるところに配慮が行き届いている。もちろん本多氏による例文も数多く登場し、理解を助けてくれる。

初版は1982年と古い本であり、やや硬質で読みづらい個所もあるかもしれないが、現在まで広く愛読されていることそれ自体が良書の証である。書店でも平積みの形でよく見かけるが、これを超える本というのはなかなかお目にかからない。

文章技術は早く学べば学ぶほどよい。技術を自分のものにするには時間がかかるからだ。だからこそ中高生や大学生、新人のビジネスマンなどにも是非お勧めしたい。早い段階で正しい文章のフォームを覚えると後々が楽になるからだ。

余談だが、私の記憶では、東進ハイスクールの国語教師である林修先生もこの本をお勧めしていたように思う。

弁護士が書いた究極の文章術―誤解なく読み手に伝える書き方のヒント28

推薦人:KOSUKE(ライターとしての経験はそれほど長くないですが、法律系の文章は大量に書いてきました)
この本は、現役の弁護士であり、毎日大量の法律文書を作成されておられる木山泰嗣先生が、主な読者としては司法試験受験生を想定して書かれた書籍でありますが、一般の方々、特にライティングを本業もしくは副業としている方々にとっても、非常に有益な内容を含んでいます。

この本を貫く一つの理念は、「とにかく読み手の立場に立つこと」です。文章というのは、裁判官が書く判決文であれ、弁護士が書く準備書面であれ、はたまた、一般のウェブライターが書くインターネット上のブログや記事であれ、そのすべてに読み手が存在します。そして、文章というものは、読み手によって理解されて初めて価値が生じるのであって、読み手が理解できない文章は、どれだけ時間をかけて丁寧に書いた文章でも、その存在価値はありません。

この本は、上記のようなシンプルな哲学を基礎にして、どうすれば読み手が理解できるかを徹底的に探求した本であり、文書作成に関するあらゆる本の中でも、決定版といえる内容を含んでいます。ライティングを学びたい皆様にぜひ一読を勧めたい名著です。

武器としての書く技術

こちらは2人の方におすすめしていただきました。

推薦人:ちぃみ(ライター歴半年)
イケダハヤトさんをご存知でしょうか?いろんな方の賛否両論のある方で、特に炎上ブロガーと言う名である方たちに(ある意味)熱烈に支持されています。そしてこの本は、私のようにライティング初心者やこれからライターとしてやっていく人にはとても参考になる内容になっています。

その中身は、まさに「書く技術を武器化する」方法です。例えば、「日記的な記事も読者によっては有用になる」「対話するように書く」「タイトルで結論を言い、意味の切れ目毎に改行を入れる」など、今日からすぐにでも実践出来るものから、「ブログは農業と同じ、種をまいて実を収穫する。日々の積み重ねが大事」「あなたの言いにくい事は誰かが言ってほしい事」など、実際にやってみてから気づくことなど、ライティングをするにあたり、読んでおいて損の無い内容になっています。

ライター初心者である私だからこそ、これからライティングを始める方たちにより近いスタンスでおすすめ出来ます。どうぞ参考になさって下さい。

 

推薦人:松戸909(ライター歴数カ月、得意分野は建築関連)
ブログを運営することで生活しているプロブロガーであるイケダハヤト氏の本です。webに文章を公開するということについて焦点を当てた、ちょっと特殊なライティングのテクニックを学ぶことが出来ます。

長々と文が続いて論点がぼやけてしまう文章にならないように、文章を料理に例えて手順を追って作成方法を紹介するといった文章作成の導入部から入り、テンポよく文章を読ませる表現のテクニックも紹介されています。

例えば、対話をするように文章を展開する。まずは結論を提示し、意味が変わるごとに改行を挟み、文章を構造的に捉えやすくする。いずれも意識している、意識していないではトータルで文章を見た時のわかりやすさに差がでると感じます。

プロブロガーである方の著書ですから、このような手法で文章をまとめることの最終的な目的はブログの記事を最後まで読んでもらい、再度ブログに訪問してもらうことです。そのために、読み手に対して「読むのが面倒だな」と思わせない、瞬間瞬間で理解してもらえるような文章のアプローチをしています。

使い所を選ぶ考え方かとは思います。しかし「伝える」ことが目的のライティングである以上、このようなスタイルで文章を作成するテクニックを持つことは一つの武器になるのではないかと思います。

プリンセスバイブルシリーズ

推薦人:猫林 まやにゃん(ライター歴数カ月)
上原愛加さんはとってもかわいい女の子の為の願いを叶えたり毎日を幸せ感でいっぱいにする為の素敵なエッセイを書いている今をときめく女流作家さんです♪

こんなもん買ったって…と思いつつ読んでみるとそのプリンセスの魔法にかかり無意識のうちに願いや気づかなかった日常の細やかなハッピーを叶えてしまう不思議なミラクルが体験できるご本をたくさん出版されています♪

そしてこの不思議なプリンセスの魔法の魅力にハマってしまい私の愛読書になりました。(注:年齢関係なし)特筆すべきはこのプリンセスバイブルシリーズのほとんどに上原さんのエッセイの中に有名な賢人や偉人の格言や名言がたくさん載っているんです。

深い洞察と幸せを引き寄せる為の哲学がかわいい愛原さんの自筆のイラストともにとても難しい事をわかりやすく簡単に書かれています。私がライティングのお仕事に出会ったのはたまたま読んだ日経ウーマンで知ったのですがライティングの参考になっているとしたら今までたくさん読んだ本のエッセンスではないかと思います。…特に愛原さんのプリンセスバイブルシリーズに影響受けているかもしれません♪