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ミステリ好きな女性10人が語る!初心者におすすめなミステリー小説

ミステリーはお好きですか?

近頃は、ドラマや小説はもちろん、リアル脱出ゲームやアプリの謎解きゲームなどといった、新しい形でも楽しまれ、より一層盛り上がっていますよね。

とくに女性がミステリーに熱中しているところを見かけることが多くなってきました。

そこで今回は「初心者におすすめのミステリー小説」と題して、ミリテリ好きな女性10人に、お話をうかがってみました。

「そのミステリー小説のどんなところを魅力的だと思ったのか」、「推薦される方ご自身はどういったシチュエーションで読みたい!と思ったのか」、謎のネタバレにならない範囲でいろいろと語っていただいています。

ミステリー小説に興味を持ち、これから手を出してみようかなと思っている初心者の方にとって、今回のリストが参考になれば幸いです。

初心者におすすめのミステリー小説9冊

あかんべえ(著:宮部みゆき)

推薦人:はーこ
宮部みゆきさんの作品は、ミステリーではありますが、ミステリー初心者でも読みやすく、最後はホッコリ温かい作品が多いです。

この「あかんべえ」は、江戸時代が舞台。深川の料理屋「ふね屋」で、突然抜き身の刀が暴れまわりますが、正体は誰にも解りません。

ですが、ふね屋の娘のおりんだけは、何か感じるものがあるようです。一体ここには、なんの怨念が渦巻いているのか…。

冒頭で、早くもがっつりと読み手の心を掴みますが、ミステリーの中にも、様々な人間模様があり、自分自身の在り方も問われる作品だと思います。

人は、心に色々なものを抱えているものですよね。それに押しつぶされてしまうのか、抱えているものを乗り越えて生きていくのか。

宮部みゆきさんのミステリーは、ただのミステリーではありません。作中人物に悲しみや憎しみもありながら、最後はホッコリした気持ちになれて、ホロリと泣ける作品です。宮部みゆきさんの作品には、はずれなしです。

時生(著:東野圭吾)

推薦人:さあさ
ミステリー小説は先が読めなかったり、最後のどんでん返しがおもしろいですよね。ご紹介するのは、そんなミステリー小説の面白さがいっぱいに詰まった、東野圭吾さんの「時生」という本です。

私は、昔から本を読む癖があったわけでもなく、理系の学校出身ですし、文字を読んだり理解することが得意だったわけではありません。読むようになったのは、ただ暇潰しにと本屋さんに行ったのがきっかけでした。

当時、東野圭吾さんの「白夜行」がドラマ化されていて、そのドラマにはまっていたので、他のものも試しに読んでみようと思ったんです。「本を読むのはいいことだ!」という考えもどこかにぼんやりとあったように思います。

「時生」は、本の見た目と、本の裏に書かれただいたいのあらすじ部分、ただそれだけを見て決めました。

しかし、この本は買って本当に正解でした!!とにかく読みやすく、初心者でも分かりやすい内容で、スラスラと読むことができましたし、とにかく面白い!!

見事にはまって2、3日で一気に読み終えました。ほぼ初めて、小説をすべて読みきれたと思います。それから東野圭吾さんのファンになり、かなり読みました。他のものも東野圭吾さんは読みやすいので、ミステリー初心者の方にもぜひおすすめしたいです。

おそろし 三島屋変調百物語事始(著:宮部みゆき)

推薦人:もじぱんだ
時代物なので敬遠する方も多いと思いますが、若い女の子が主人公なので読みやすいと思います。怪談話がベースで、怖い話が好きな方には尚のことおすすめです。

三島屋を訪れる客の謎めいた話に背筋が凍る思いをしながらも、登場人物のいきいきとした様子が救いになったりします。私としては女中のおしまさんが出てくると頼もしくほっこり安心できるので大好きなキャラクターです。

読み進めるのと同時に、主人公おちかの過去への興味がどんどん増していきますが、触れていいものか、好奇心だけで詮索するのは失礼になるのではと、なぜだかおちかを傷つけたくない思いが沸いてきてしまうほど、おちかの存在が身近に感じ、親近感も持って「この子には絶対に幸せになってほしい」と、親戚のおばちゃんのように思いながら読んでいました。

おちかが怪談話の聞き手を担っていく過程で、心に閉じ込めていた暗いものを少しずつ振り返ることができるようになり、三島屋の面々をはじめとした周囲の人たちとの交流もあって、おちかの心の安寧が取り戻されていくことに読み手も心落ち着かせていきます。

物語はシリーズ化されていますので「若先生との関係はどうなっていくんだろう」など怖い話だけではなく、登場人物のこれからについてもあれこれ想像を膨らませつつ、長く楽しめる作品だと思います。

シャーロック・ホームズシリーズ(著:アーサー ・コナン・ドイル)

推薦人:名探偵
私がおすすめのミステリー小説は「シャーロック・ホームズシリーズ」です。初心者の方でも、ストーリーに入り込みやすく、舞台がロンドンということで、海外ドラマを見ているような感覚で楽しめます。しかも本格的な作品に、読んだ後に達成感も得られます。

シャーロック・ホームズシリーズは、アガサ・クリスティーのポワロシリーズよりも多くの方に支持されています。そのため海外ドラマや洋画、名探偵コナンなどにも、要所要所に組み込まれるなど、作品のスパイスとしても使用されます。

一通り読んでおくと、知識としても自慢でき、海外の方に喜ばれるというメリットもあります。医学的・化学的な知識がなくても楽しめる本です。

私が初めて読んだミステリー小説は、このシャーロック・ホームズシリーズでした。姉の紹介だったのですが、初めて推理の楽しさと事件の恐ろしさを体験しました。

日本の小説では、赤川次郎の三毛猫シリーズも読みましたが、それよりも読者の想像力をかきたてる作品だと思いました。ロンドンの霧の中を歩くホームズを想像し、ロンドンの空気感を感じてみてはいかがでしょうか。

どちらかが彼女を殺した(著:東野圭吾)

推薦人:みおゆき
ミステリー小説が大好きです。中でも東野圭吾さんや、宮部みゆきさんの作品は初心者にかなり読みやすくハマってしまいました。今回オススメした「どちらかが彼女を殺した」は、読み切っても犯人がわからなかった私。まさにミステリーです。

題名に惹かれて読み始めました。スリル満点でサクサク読み進められます。でもサクサク読みすぎると大事なポイントを見落としてしまいます。ぜひ、キーワードは付箋をしながら読み進めていくことをお勧めします。

そして、読み切ってから、付箋部分を含めて読み直します。どっちだ?どっちが殺したんだ?こっちか?いや、こっちか?

決定的な理由があります。見落としてなければ。私は見落としました笑

そこで登場。袋とじです。ここまで読むと犯人がどちらだったのかが分かりました。すっきり解決。でも出来たら、友達や恋人と同時に読み始めて、袋とじを開く前に、どっちが犯人か、それぞれの見解を話すと盛り上がります。

まさしく、主人と一緒に読んで語り合いましたが、それぞれ思っていた犯人が違いました。ふたりのうち、どっちかが犯人なのに違って笑いました。袋とじを開けて私の見解の勝ちでした。とても楽しめます。主人は探偵には向いていないと分かりました。

ちなみに同シリーズで、「私が彼を殺した」というミステリー小説もあります。こちらも続けて是非お勧めします。

 

その女アレックス(著:ピエール・ルメートル)

推薦人:けん
私自身も普段ミステリーを全く読まないのですが、この本は何故か手にとって読んでしまったという経緯があります。

2015年の年間ベストセラーでありミステリーランキング10冠という。触れ込み付きというところで、話題性は充分だったので、ミーハーな私は手にとってしまいました。

実際読み進めていくと、主人公は勿論タイトルにある、アレックスなんですが、登場人物は少ないながら、立場や心情がガラリと変わっていく様はハラハラします。

ラストのどんでん返しはそれまで主人公に抱いていた同情の気持ちも湧き上がるような感動に似た読書体験が出来きます。

今まで味わったことの無い体験で、読み進めると、二度や三度足をすくわれるような展開がありました、短い章の中で、登場人物の視点が切り替わるので、きちんと視点を理解していないと、混乱する事もありました。

色々なコメントやレビューなどでも紹介されていましたが、この読書体験は今までにない読書体験でした。内容は手にとって読んで体験してください。

告白(著:湊 かなえ)

推薦人:かぼちゃ
わたしがオススメしたいミステリー小説は、湊かなえさんの「告白」という小説です。

この告白という小説は、担任の先生が受け持つクラスの生徒の誰かに自分の子供を殺されたといった始まりからスタートします。

とてもぞっとするような始まりですし、最後がとても気になる始まり方なので、続きが気になり一気に読んでしまうと思います。

また、この湊かなえさんの告白という小説は親が子どもを思う強さや切なさ、自分の生徒に裏切られた感から行動を起こしてしまう先生の心情も書かれていてすごく心がつままれたような気持ちになります。

そして、子どもを殺された辛さから、一番大切なものを壊そうと復讐に入るのです。わたしがその告白を読んだ時にはまだ子どもがいなかったので、そこまで気持ちがわからなかったのですが、今は子どもがいるのですごくその先生の辛さやくやしさがしみじみと伝わってくるのです。

最後も切なくて、でもなぜか心が少し暖かくなるような終わり方になっています。

アクロイド殺し(著:アガサ・クリスティー)

推薦人:諏訪唯
アガサクリスティ作の有名なミステリーです。大御所の有名過ぎる作品ですが、私の周りには未読の方が意外に多かったので、ここで私はこの作品をお勧めします。

アガサクリスティのミステリーは、海外ミステリーですので、文化の違いや宗教、風習などを考慮すると、日本人のミステリー初心者には、浸透しにくいと思うかもしれませんが、その中身の面白さを知ると、この先も読んでみたいという気になります。

「アクロイド殺し」は、一人称の日記調でページが進むので、自分が主人公の立場になったかのような感覚になり、感情輸入がしやすいです。主人公はポアロではなく、ワトソン君のような一般の人物なのも、親近感が湧きます。

登場人物は、親族など密なつながりを持つ面々で、徐々に明らかになる真実が、読み手の頭まで推理に巻き込みます。

様々なレビューにもあるように、最後は「どんでん返し」そのもの。ネタを知ってから、私はもう一度読みたくなりました。

この作品が出てから、アガサクリスティに厳しい批評もあったようですが、私はそうは思わなく、すっかり騙された代わりに座布団を一枚差し上げたい気持ちになりました。

ミステリーの魅力が満載で、他のミステリーも読みたくなると思います。是非お勧めします。

吸血鬼はお年ごろシリーズ(著:赤川 次郎)

※こちらはお二人の方におすすめいただきました。

推薦人:びっくりポン子
私がオススメしたい気軽に読めるミステリー作品は、『青きドナウの吸血鬼〜吸血鬼はお年ごろシリーズ〜』(著者:赤川次郎/集英社文庫)です。

赤川次郎さんのミステリー作品は、どれを取ってもドンドン作品に引き込まれていくストーリー展開なので、読みやすくてとても面白いです!

赤川次郎さんの作品の中には、ミステリーの他にもミュージカル化されているファンタジーや、大海原で繰り広げられる冒険小説など様々な作品があります。やっぱりミステリー作家の大御所は、どの作品も凄いです!

そんな膨大な作品の中でこの”吸血鬼はお年ごろシリーズ”からこの作品を選んだのかというと、主人公の吸血鬼の父・クロロックと娘のエリカたちの活躍が面白くてカッコイイ!!さすが、大好評シリーズの第12弾だけあって、何十年と続いているシリーズなのに、主人公たちは古さを感じない今を生きてる素晴らしい作品です。

しかも、ヨーロッパ好きの著者の描くロマンチックな古都ウィーンが舞台なので、街の情景が目に浮かんできます。まるで自分もエリカたちと一緒に旅行している気分も味わえてしまうお得な作品なのです。

これは、ちょうど旅行先選びでガイドブックやパンフレットを眺めていて、旅行している妄想に浸っている感じに似ているかな…と思います。もしかしてこれって私だけかしら…?(苦笑)

外出先では、吸血鬼の優しく紳士なイメージを裏切らないクロロックさん。ところが、家では若い奥様と可愛い子供のやんちゃなトラちゃんにメロメロのギャップも楽しいです。

そんなトレードマークの黒いマントを着用したの父・クロロックと女子大生エリカたちの繰り広げるコミカルなミステリーをお茶のお供にオススメしたいです。

 

推薦人:かえる
私は子どもの頃から本が嫌いで小説も読んだことありませんでした。中学生になり学校で本を読む時間があり何を読もうかと悩んでいた時に父に勧められたのが、この小説です。

吸血鬼の女の子が事件を解決していくストーリーです。登場人物がみんな個性的でおもしろく、主役の女の子のお父さんも吸血鬼なのですが、昔ながらの吸血鬼の格好をしていながら、性格は明るくてとても好感のもてるキャラクターです。

女の子の友達が2人よく登場しますが、「太っていてよく食べる子」と「痩せている子」という対称的な2人で、2人の会話もいつもおもしろいです。

毎回殺人事件が起こってホラーな部分もあるのですが、このキャラクター達のおかげで、暗くなっても、怖くなったりせずに読むことができました。ところどころに出てくる挿し絵も可愛いので、どんどん読み進めることができます。

私は漢字も得意ではありませんし、難しい表現は苦手で理解力もありません。でもそんな私でも、読めて理解し楽しむことができました。

シリーズで何冊も出ていますが、全巻制覇するくらいお気に入りの本です。