最近、本読んでますか?
「昔は本を読むのが好きだったのに、最近はめっきり読めていない…」なんてことは、あるあるで、よく聞く話です。
その理由は、「仕事が忙しくて読む時間がない」だったり、「昔ほど読みたい本が見つからない」だったり、人それぞれいろんな理由があるかと思われます。
自分も一時期、とくに明確に意識はしていなかったのですが、読む量がかなり減った時期がありました。
自分の場合、その理由というのが、
「断捨離でモノを減らしているのに、新しくモノを買いたくない」
といった、「本を読む行為とはまったく関係のない理由」でした。
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本なんて、そんな大きなものではないので、すごくスペースをとるわけではありませんし、
購入した後、読み終わったら、誰かにあげるか、売るか、捨てるか、すればいいのですが、
その本を買った後の行動を「無意識」に思い浮かべて、「めんどうだ」と感じてしまっていたようなのです。心のうちにそういった「読書をためらわせる意識」が生まれてしまっていました…
しっかりとした行動指針として、「手間がかかるから本は買わない」などと、決めていたわけではないのですが、だからこそ、なおさら、たちが悪い。
本屋で「なんとなくよさそうな本」を見つけても、「なんとなくめんどうに思って本棚に戻してしまう」
これが論理的な思考として、「手間」と「読書による効果」を比較して、購入するかどうかを決定するという流れなら、十中八九、読書の効果を優先するのですが、
意識していないから、「めんどうな気持ち」を、「その本自体への興味が薄い」のだと勘違いして、読書をあきらめてしまっていたんです。
そこで、この状況をなんとかするために活用したのが、「電子書籍のKindle」でした。
データである「電子書籍」は、単純に考えても、「物理的なスペースを取らない」という、紙の本よりもよい利点があるのは当然ですが、
なによりのメリットは、その「紙」という物理的な存在があることで自動的に発生していた、「購入後の処分の手間」がなくなることでした。
そもそも
購入時に「処分のこと」自体を考える必要がなくなる
のです。
断捨離の基本は「モノへの執着を捨てること」だといいます。
モノを捨てるだけではダメで、そのモノへの執着から離れることで、断捨離は完成するのだとか。
【参考記事】
ならば、その物理的なモノへの執着が最初からなければ、本から得られる知識やストーリー、読書体験といったものだけに集中して、
より「シンプル」に「その本を読みたいかどうか」、という1点に絞って、購入するか否かを考えることができるのではないでしょうか。
(「物理的な執着からの解放」なんて言うと、宗教的な何かだとか、クローンや不老不死による肉体の超越だとか、おかしな話に発展してしまいそうになりますが…)
「電子書籍によって、選択する必要のある過程を減らすことで、読書がよりシンプルになる」のです。
また、そんなことを思いながら、実際に電子書籍で読書する中で、もうひとつ気づいた利点がありました。
それが、
「紙の本に付けたメモや付箋への執着からも離れやすくなる」
ということです。
自分の場合、紙の本では、読んだときに気になったところに、ひとつひとつ付箋をつけていく読み方をしていたのですが、
そんな自分のオリジナルともいえる要素が追加された書籍は、手放しづらく
クラウドのメモ帳などに気になった点は別にまとめておいたとしても、「付箋を外そうと意識して行動する」というひと手間が、本を手放すときには発生します。
しかし、それが電子書籍なら、ページや文章ごとにマークをつけるハイライト機能で、すべてを本のデータ内に管理できるので、そこで完結していて、それ以上先の捨てる過程のことを考える必要がない。
「あーあのときの言葉なんだったっけ?」などと、あとから調べなおしたいものが出てくれば、検索機能を使って調べることもできますし、必要なときがくるまでは忘れてしまっても構わないのです。
と、ここまで書いてきて、いま実際に電子書籍で読んでいる1冊にも、今回の記事に関連した内容が紹介されていたので引用させていただきます。
元マイクロソフトの伝説のプログラマー中島聡さんの著書「なぜ、あなたの仕事は終わらないのか?」より、
「世界の偉人がいつも同じ服を着ているのは、無駄な決断を減らそうとしているからだ」というお話の中で、その「決断を減らす効果」について説明されていたひとことです。
心理学では、決断や意思決定をする際に減少する気力のようなものを「認知資源」という名前で呼んでいます。
この言葉を使うと、つまり世界の偉人は、認知資源を経営や政治のために温存しているということになります。服選びなどのつまらない決断で疲れるのを避けようというわけです。ー「なぜ、あなたの仕事は終わらないのか?」-2 時間を制する者は、世界を制す-「出勤前の服選び」で疲れてどうする よりー
これはまさに、今回の本選びの中での「決断を減らす」という話にもつながっているように感じました。
「読みたい本を選んで読む」という行動をよりシンプルにするために、「物理的な本の制約による決断のステップを減らす」。
それによって「認知資源」も節約できて、より読みたい本の選定に集中できるという図式ですね。
ミニマリストの方や、シンプルな生活を大切にされている方は、新しい何かを取り入れること自体に少し抵抗がある方もいらっしゃるかもしれません。
とくに電子書籍のように、まったく使ったことがない人には、使い方から何からいろいろと学ばならないものであれば、なおさらでしょう。
しかし、今回の記事で少しでも参考になる部分があれば、ぜひ1度電子書籍にトライしていただければ幸いです。その「モノを持つことを最初から考えなくていい手軽さ」に、本自体は好きだったのだという方はとくに、ハマってしまうのではないかなと思います。