子供たちにとっては待ちに待ったクリスマス、プレゼントの準備はおすみでしょうか?
一般的には、流行りのアニメのオモチャやゲーム機、ゲームソフトなど、子供たちの間で話題になっている、いわゆる「人気商品」をプレゼントすることが多いことと思われます。
しかし、ご家庭によっては、そういったオモチャやゲームを買わないようにされていたり、
おばあちゃんやおじいちゃんが孫のために買うので、違うものをプレゼントしたいと思われている親御さんもけっこういらっしゃるようです。
また、子供の欲しいプレゼントはおさえつつ、もうひとつ、学びに役立つような何かを別でプレゼントしているなんてご家庭もありました。
そんなときに、ひとつの選択肢として上がってくるのが、「本」というプレゼント。
文字を学べるという建前もあって、親御さんも買いやすいプレゼントかと思います。
(ぼくが子供の頃は、その建前をフル活用して、何かあるたびに本をねだって買ってもらっていました。)
しかし、一年に一度のクリスマス、せっかく子供にあげるなら、「クリスマスだからこそ」のよい本をプレゼントしたいですよね。
そこで今回は、「クリスマスにプレゼントしたい!小学生におすすめの本」と題して、読書が大好きだという、読書好き10人の方に、お話をうかがってみました。
本のタイトルだけでなく、「その本がなぜクリスマスという時期に合っていると思われたのか」、「小学生の子にいいと思ったのか」、読書好きのみなさんの言葉で語っていただいています。
ぜひ次のクリスマスプレゼントに、参考にしてみてください。
ただし、ひとつお気をつけいただきたいのは、「本嫌いの子」に、小難しい本をプレゼントして強引に読ませるなんてことがなきよう…
プレゼントは「相手の気持ちを考えて送るもの」、渡す側の「あげたい気持ち」だけで決めちゃわないようにしてくださいね。
読書好きという立場から、ひとつの選択肢として、今回の記事を書かせていただきましたが、子供の欲しいものの好みも人それぞれ。
「その子が喜んでくれるかどうか」という視点はしっかりとおさえた上で、よきクリスマスをお過ごしいただけますと幸いです。
小学生のクリスマスプレゼントにあげたいおすすめ本10冊
はてしない物語(著:ミヒャエル・エンデ)
推薦人:haru
この本を私が両親からプレゼントされたのは小学三年生のクリスマスでした。
普段からよく本を与えられていた私ですが、この本だけはいつもの本と違いました。
それは、文庫本の3倍はあるかという大きさ、3センチ以上はあるかという厚さ、そして装丁が紙ではなく、布だったのです。
あまりの厚さに、それを、開くまでにはかなり時間がかかりました。
いつも本棚のはしっこに置いたままで、私は簡単に読める本ばかり選んで読んでいました。
けれどある日、ふと、なんとなくその本を手に取り、読み始めたのです。
すると、一気に話に引き込まれました。
主人公は古本屋で手に入れた、はてしない物語、という本を読むうちに本の世界に入っていくのですが、私が読んでいたのも、主人公と同じ、はてしない物語。
さらに、主人公が手にしている本の記述には、その本の表紙は、二匹のからまった蛇が描かれているとあり、私が読んでいたその本の装丁も二匹のからまった蛇が描かれていたのです。
大人になって、その本を読めば、それは単に、本のデザインを内容に合わせただけであり、本のタイトルが内容と同じにされた演出だとすぐに分かりますが、
小学三年生の私には、知る由もなく、自分が読んでいる本を主人公もまさに読んでいるという錯覚に陥ったのです。
それからは、読める時間がある限り一気に最後まで読んでしまいました。
また、数年後に偶然テレビでみた映画、ネバーエンディングストーリーを見た際、それが、はてしない物語だったのだと気付いた時は衝撃でしたし、自分は特別なものを見つけてしまったと感じた瞬間でした。
あの感覚を他の子供たちにも味わってもらいたいと強く思います。
サンタクロースっているんでしょうか?(著:東 逸子)
推薦人:kano
ニューヨークの新聞社に寄せられた、ある女の子からの手紙がきっかけに、この本は作られています。
「サンタクロースっているんでしょうか?」という質問に対し、新聞社の社説では真剣に答え、大きな話題となりました。
この本はその時の社説がまとめられています。
実話です。
難しくないようで難しい、女の子からの質問に、これだけ真剣に答える本はなかなかありません。
私はこの本を小学6年生の時に親からプレゼントされました。周囲も自分もサンタさんへの興味が褪せていた時期です。
食い入るように、何度も何度も読みました。「今、自分の子どもに何を贈る?」と聞かれれば、真っ先にこの本、と答えます。
20年経った今、この新聞記者のような素敵な返答が出来る大人になれたかな?
と、ふと思い出し、また読み返したいと思いました。
社説は1回きりでは終わらず、その後、『サンタの友だちヴァージニア』という本も出版されました。
女の子のその後が書かれています。
今年は『サンタクロースっているんでしょうか?』を、子どもが大きくなったら『サンタの友だちヴァージニア』と、続けてプレゼントするのもいいかもしれません。
こびととくつや(著:いもと ようこ)
推薦人:しーぽん
私はクリスマスプレゼントの本として『こびととくつや』をおススメします。
このお話は心優しく貧しい靴屋が主人公。クリスマスの準備をするために商品として作った靴を、裸足で歩いていた子どもにあげてしまいます。
クリスマスの準備ができなくなってしまった靴屋ですが、そこにこびとがやってきて素敵な靴を作っていってくれます。
それを知った靴屋はお礼に服と靴を作る際に余った皮で小さな靴を作ってやります。
その後こびとの作った靴は大変な高値で売れ、靴屋は無事クリスマスを迎えることが出来たという話です。
このお話は人に対する優しさ、物を大切にする心を育むことが出来ると思います。
実際、私も昔、この本を読んだときにはじめて、「世の中には裸足で歩く人もいる」という事を知りました。
また靴屋が余った皮で小さな靴を作るシーンでは、「もう使えない捨てる部分」を再利用できるということに、当時幼かった私は目から鱗でした。
さらにこびとが靴を作るシーンでは自分も何かを作ってみたいと思わせるような印象を与えてくれます。
「人に優しくする心」と、「物を大切にする心」を育みながら、登場人物たちと一緒に楽しいクリスマスを迎えてほしいと思います。
クリスマスイヴのこと(著:クレメント・C. ムーア)
推薦人:あやぽん
とってもオーソドックスで、どこの家でも語られているサンタさんのお話です。
最近では凝ったお話も多いけれど、まず最初はこういうサンタさんのお話から入るといいんじゃないかと思います。
綺麗で可愛い絵もあるので、物語をしっかりと想像できて、読みやすかったです。
とくにサンタさんのことを説明しているページでは、文章がリズムにのって読めるので、とても楽しめるものでした。
クリスマスが来るのが、とっても楽しくなる絵本です。とっても楽しめますよ☆
内容としても「サンタさんが靴下にプレゼントを入れてくれるよ。」、「寝てる時にサンタさんが来るから、寝てようね。」など、そういった場面が描かれているのでクリスマスにはぴったりでした。
知ってる人には常識ですが、「サンタさんが靴下にプレゼントを入れてくる」といったクリスマスを楽しむためにも大切なことを、この本では知ることができます。
私は娘にプレゼントしましたが、読んであげると、お父さんがサンタを発見してしまうシーンに反応し、すごく笑って目を輝かせていました。
クリスマスが終わっても「ママ、この絵本読んで!つぎのクリスマスまでサンタさんのこと知りたいの」と言うくらいにこの本を大好きになっていたようです。小さい子供から小学生、大人でも楽しめる絵本だと思います。
賢者の贈り物(著:オー・ヘンリー)
推薦人:ユウキママ
とても有名なオー・ヘンリーの短編小説です。
クリスマスだからとサンタさんが登場するお話もいいのですが、小学4年生くらい以降であれば、こういう「相手のことを考える」といったお話を読む機会をプレゼントするというのも、とても大切だと思います。
私自身、本を読むのが割と好きな小学生の女の子がいるのですが、歴史漫画や伝記漫画、そして、小学生に大人気のサバイバルシリーズが大好きです。
最近では、少し、恋愛要素があるようなジュニア文庫も読むようになりました。
ちょうど、それぞれの家庭事情が垣間見えてくるようになるのが小学生の中学年です。
親が一生懸命に仕事をしていただいた給料で生活しているということを忘れて、クリスマスプレゼントもだんだんと高額なものを欲しがるようになり、高額なものでないと満足をしなくなってくる年齢でもあると思います。
こういう時期だからこそ、お金の大切さや相手を思いやる気持ちというものの大切さを学んでほしいと思います。
それぞれ、自分の大切なものを売ってまで大切な相手に似合いそうなものをプレゼントするというきゅんとするような、切なさもあるお話は、小学校で「ごんぎつね」など人の心の描写を学ぶ年齢の子にならとても大切な何かを感じることができるはずです。
モノがあふれる現代だからこそ、クリスマスプレゼントに「賢者の贈り物」をプレゼントする価値があるように思います。人を思いやれる子に育ってほしいという思いも込めて。
あぶうばぶう(著:晴佐久 昌英)
推薦人:みかこ
子どもが小学校低学年の時に、いただいた本です。
作者は晴佐久昌英さん。この人はキリスト教(カトリック)の神父さんなので、物語の筋はクリスマスのイエス・キリストの誕生をなぞっているのですが、内容がとてもいいのでおすすめです。
赤ちゃん(イエス・キリスト)のもとに、心配や悩みを抱えた羊飼いや博士たちが、次々やってくるのですが、話を聞いた赤ちゃんは、ただにっこり笑って「だいじょうぶう!」と言うのです。
その赤ちゃんが手を広げた絵がとても可愛らしく、見開き2ページ全体に大きく描かれています。その「だいじょうぶう」の絵が出てくるたびに、子どもは大喜びでした。
クリスマスのあとも、子どもが泣いていたり、何か上手くいかなくて、ぐずりそうな時などに、本を開いてその「だいじょうぶう」を見せると、思わず笑って元気になりました。
絵が子どもに語り掛けているようで、不思議に安心するようです。
実は大人が読んでもいい本で、私も怒っていたりイライラしていても、子どもにその絵を見せられるとつい笑ってしまいます。
親子ともども楽しめる素敵な絵本です。
だれかののぞむもの(著:岡田淳)
推薦人:うたのーと
「こそあどの森」シリーズはどれも名作で、登場人物たちの交流を通して、人の気持ちや成長を自然と学べる物語です。
ぜひ小学生のうちにシリーズ通して読んでほしいと思いますが、クリスマスプレゼントということで、中でも「だれかののぞむもの」という物語をおすすめします。
相手の望む姿で現れる生き物をめぐる物語で、自分が何を望んでいるのかや、誰かに喜んでほしいと思う気持ちなど、人と関わる上で大切なことを考えるきっかけになります。
多くの子供たちはクリスマスにはプレゼントをもらうので、その前に何をおねだりするか、色々と迷いながら考えると思います。
それと同じタイミングで、欲しかったものが本当に手に入った時に何を思うのか、また贈ってくれた人が何を思っていたのかなど、プレゼントの背景にまで考えを巡らせてもらえたらいいなと思います。
私自身が小学生の頃、このシリーズは刊行中で、新作のたびに夢中で読んでいました。
「だれかののぞむもの」は大人になってから読みましたが、十分に読みごたえのある作品です。
もちろん考えさせられるだけでなく、物語として純粋に楽しめるので、ぜひ子供たちに贈っていただきたいです。
まどから★おくりもの(著:五味 太郎)
推薦人:マロンクリーム
五味太郎さん作の「まどからのおくりもの」は、あわてんぼうのサンタさんを地でいくようなおもしろいお話です。
このちょっとあわてもののサンタさんの物語をひきたてるのは、まどが開いていて次のページがちょこっとのぞける仕掛け。
お話が進むにつれ、子供たちのほうから、少しずつ想像力を働かせて「次はこうじゃないの?ああじゃないの?」といった風に、色々なアイディアを話してくれました。それが、この本の醍醐味のような気がします。
親と子が読み聞かせをしながら会話ができて、それぞれの想像によるストーリーが生まれて行くので、毎回オチは分かっているのにみんなで盛り上がれます。
もちろん五味太郎さんなので、言葉のチョイスもユニークでいてリズミカル。読んでいても楽しいです。
ひらがなを覚え始めた3歳くらいに、初めて読み聞かせしましたが、もう小学1年生になる今でも楽しく読んでいて、もちろん妹も大好きな絵本です。
1年生になると、内容はそこまで多くないので自分で仕掛けを楽しみながら読めます。
ぜひ、クリスマスの時期に親子で読み聞かせしながら楽しんでもらえたらと思います。
ミッケ!(著:ウォルター ウィック、翻訳:糸井重里)
推薦人:ちさ
ミッケ!は、お題に沿って、絵の中にある、色々なものを見つける、家族でも楽しめる絵本です。
シリーズでたくさん本が出ているのですが、おもちゃ箱を題材にしたものや、ゴーストを題材にしたものなど、子どもにとってワクワクするものばかりです。
また、クリスマスを題材にしたものもあり、まさにクリスマスプレゼントにぴったりです。
絵は、ちょっとリアルに描かれていて、またファンタジックで、大人が見ても綺麗で、その世界に引き込まれます。
例えば、おもちゃ箱を題材にした本の、1ページでは、たくさんのおもちゃが描かれています。
とても細かく、この中で、例えば「パンダのぬいぐるみを探せ」というお題が出ていても、良く見ないとなかなか見つけられません。大人でも苦戦します。
クリスマスにプレゼントをして、年末年始、家族みんなでミッケ!を楽しむのも良いと思います。
また、とても絵が綺麗なので、お部屋に飾っても良いのではないかと思います。
私も、児童館でボランティアをしていた時に、この本に出会い、その絵の素敵さや意外な難しさに感動しました。
児童館の子ども達は繰り返し見ているので、すぐに答えを見つけられましたが、それでも好きみたいで、飽きずに何度も見ていました。
今、私の子どもはまだ小さいのですが、子どもが小学生になったら、ぜひ買ってあげたい絵本です。
ハリー・ポッターと賢者の石(著:J.K.ローリング)
推薦人:たまごっこ
ハリーポッターシリーズは、シリーズ全体でボリュームもあるので、まず1巻目をクリスマスプレゼントであげると、続きも読みたくなってしまう魅力があります。長く喜んでもらえる本だと思います。
ご存知の方も多いかと思いますが、有名なファンタジー小説です。
主人公のハリー・ポッターは孤児ですが、意地悪な従兄家族に育てられ、11歳の誕生日を迎えようとしたとき、ホグワーツ魔法学校から入学許可証が届きます。
その時、ハリーポッターは自分が魔法使いだと知ることになり、物語が一気に広がります。
ホグワーツ魔法学校では、親友のロン、ハーマイオニーと友達になり、ハリーの両親を殺した魔法使いヴォルデモートとの運命の対決が始まるのですが、大人も手に汗に握る展開が待っています。
ハラハラしながらも、続きが読みたいと自然と思えるような、親子で楽しめる小説なので、クリスマスプレゼントで贈ることで、家族全員で楽しめる1冊になると思います。
何度読んでも面白いので、子供たちにも繰り返し読んでもらえると思います。
映画にもなっているので、小説を読んだ後はDVDを借りて観るのも楽しみの一つです。お互いの意見を言い合いながら家族で楽しむことができますよ。