学び方

【デジタル時代の写真撮影上達法】批判なら誰でもできる

「撮りまくる」以外に上達の近道はない!ここで言う「撮りまくる」とは「連写モード」で撮りまくれ、ということです。『アイデアを「カタチ」にする技術』-第2章 企画は「準備」が8割を占める よりー

クリエイティブディレクター 長澤宏樹さんの著書『アイデアを「カタチ」にする技術』より、写真撮影の上達法に関するひとこと。

昔はフィルムの予算や、現像の手間、少し前ではデータ容量や、カメラ自体の性能の問題から、1度に大量に撮るというのは難しい部分もあったかもしれない。しかし今では、デジタルカメラはもちろん、スマホであっても、連写モードが備わっており、手軽に大量の写真を取ることができるようになった。

カメラに不慣れだと、いつシャッターをきればよいのか迷いがちであるが、そんなことを気にせず「連写モード」で撮りまくれ、というのが著者のアドバイスである。

そうして、撮り終わった後に、数十枚の似た写真を見比べて、細かな違いを批判的な目でみて、ベストな写真を選ぶのだ。

「批判なら誰でもできる」という、一般的には悪い意味で使われる言葉があるが、技術的な側面が大きい「撮る」という行為を、できる限りカメラにまかせ、不慣れな素人は「写真を比較する」ことに集中して、ベストな一枚を見つけ出すという手法は、適材適所であるように感じる。

要するに、「ケチをつけることがうまければ、それだけよいものを選べる」のである。

これを続けていると、毎回、選ぶのはめんどうだと思うようになるかもしれないが、「大量に撮る」→「厳選する」という流れを繰り返していくと、よりよい一枚が「ありそうなところ」がなんとなく分かるようになり、写真への理解と共に、厳選にかかる時間も減っていくだろう。

この手法は「文章作成」にも通じる。一度全部を書き切ってから、批判的な目でみて、悪いところを修正して行く方がうまくいくことがある。(文章を書くのに慣れないうちはとくに)

使う力を、「文章を書き出す」ことから、「批判して修正する」ことに、意図的に変えているのである。